10年くらい同じスピーカーを使って音楽を聴いています。
バックロードホーンという変わった仕組みのスピーカーで、自分で組み立てたんですが、1年に一回くらいの周期で音に不満が出てきて、置き場所を変えたり、吸音材を変えたりしています。あるいは別のもっといいスピーカーがあるのではないか思って、家電量販店のオーディオコーナーに通ったりもしています。
何度も買い替えを検討しましたが、今のところうちではこのスピーカーの座を奪うものは現れていません。
バックロードホーン・スピーカーの説明
バックロードホーンというのは、箱の中にくねくねと折りたたまれたような音道があって、低音を増幅する仕組みのスピーカーです。
スピーカー・ユニットはフルレンジ、つまり一つのユニットで低音から高音まで全ての音域を受持つタイプのものを使います。ユニットが一つなので低音から高音まで音のつながりがなめらかなのが特徴ということになっています。
完成品で市販されているものはめったになくて、設計図をもとに自作するのが一般的で、ホームセンターでカットした木材を自分で接着して作るわけですが、そこまでする根性はないのでハセヒロの組み立てキットで作りました。
これはバックロードホーンの形に形成された板を積み重ねて作るスピーカーで、六角レンチで組み立てることができます。
スピーカーユニットは自作用に単品で売っているフルレンジのものを使うのですが、PARC Audioのウッドコーンスピーカーを組み合わせています。
購入の経緯
もともとオーディオにはそれほど興味はなかったのですが、10年前にそれまで使っていたミニコンポが壊れて新しいのに買い換えようとネットでいろいろ調べているうちに面白くなってきて、片っ端から紹介記事や口コミを読んでいました。
そうしたらオーディオ評論家がブラインドテストをして、100万円の高級アンプと区別がつかなかった1万円のアンプがあるという話を読みました。RSDA202というやつです。
まずオーディオ評論家などというものがいることや、100万円とかいうレベルのオーディオ機器があることに驚きましたが、100万円のものと同じレベルの1万円の商品という調子のよすぎる売り文句に惹かれて、購入してみました。
それまで使っていたミニコンポのスピーカーを繋いでみましたが、確かにそれまでは聞こえなかったパーカッションの高音が聞き取れるようになったりして、おそらくいいものを手に入れたのではないかという感覚を持ちました。
大手メーカーが出している普及品よりも、細かいところは行き届いていなくてもこういうガレージメーカーの品に費用対効果の面で優位性があるという気がしてきました。
それでスピーカーをどうしようかということで調べていてハセヒロのバックロードホーンに出会うことになりました。
めくるめくオーディオマニアの世界
最近ソニーが音質のいいSDカードというのを出して頭は大丈夫なのかという感じで話題になりましたが、当時初めてオーディオマニアの世界に出会い、色々と衝撃を受けました。
自衛隊の演習を高性能な機材を使って録音し、自宅の高価なオーディオセットで爆音で再生するのを楽しむという話には、オーディオというのは音楽を聞くためのものだという常識をくつがえされましたし、自作スピーカーの音を安定させるために箱の中に重りとして生米を入れる人がいて、様々な品種を試した中でも魚沼産コシヒカリが一番音がよかったという話にはブランド力を持つことの大切さを学ばされました。