中古マンションを購入してリフォームするまでの流れ

中古マンションを購入してリフォームしようと決めたはいいものの、不動産の購入についても、リフォームについても何も知識はありません。

住宅ローンのことなど真剣に心配したほうがいいことはたくさんありますが、その時はどんな快適な部屋に住めるのかという妄想が広がり、次々とネットを検索したり、本屋でインテリアに関する雑誌をや本を読んだりしました。

まずはリフォーム業者に連絡

最初は業務用厨房のようなイメージのキッチンが欲しいというところから始まった中古マンション購入とリフォームの計画ですが、ネットを検索したり本、雑誌を読んでいるうちに、無垢材とかの自然素材を使った部屋に惹かれるようになりました。

そういうのが得意そうなリフォーム業者のサイトを片っ端から見て、良さそうな業者を探しました。

業者のサイトには必ずその業者が今までに施工した事例が乗っていて、夫婦共通の趣味であるマウンテンバイクを飾れる部屋だとか、ご主人が大好きな映画を楽しむシアタールームだとか、いつでも子供たちの気配を感じられる風通しのいい間取りだとか、とにかく幸せあふれる生活のイメージをかき立てられます。

そんな業者の中から自分の好みにあったのを選んで連絡をとってみました。

リフォーム業者というのは本当にたくさんあってどうしてその業者選んだのかというと、その時は感覚的なもので選んだのですが、今から考えると奇抜なデザインをひけらかすのでもなく、ありきたりなものでもないような、居心地のいい部屋を作っているという印象を施工事例を見ていて感じたのだと思います。

サイトのフォームから問い合わせをすると、そのリフォーム業者の事務所で打ち合わせをすることになりました。

妻と二人で向かったリフォーム業者の事務所は、普通のマンションの一室をリフォームして事務所にしたもので、要するにその事務所自体が施工事例になっていました。

担当してくれたのは事務所の代表の男性ともう一人の女性の方で、とても素朴で気さくな方々で、こちらの住みたい部屋のイメージを伝えると丁寧に説明してくれて、物件の購入からリフォームに至る流れについても説明してもらいました。

私たちは東京の北の方に住んでいてなるべくその近くの物件を希望していました。リフォーム業者の拠点は神奈川なので、距離が離れているのが心配でしたが、特に問題はないということで、まずは物件探しのため提携している不動産屋を紹介してもらいました。

不動産屋と物件を内見

紹介してもらった不動産屋と物件を探しました。こちらの条件としては、なるべく安くて、夫婦で住むのに十分な広さがあり、リフォームがしやすいものという感じです。もちろん具体的な平米数や、場所の条件を伝えて探してもらいました。

リフォームで間取りを大幅に変更する前提だったので、内見してみて撤去できない壁があったりする物件は対象外になります。

マンションの部屋の中の壁はリフォームで撤去できるものと撤去できないものがあります。壁がコンクリートだったり構造壁だったりすると撤去できません。

一件目は構造壁の物件だったので見送り、二件目に見た、築40年で世帯数が200くらいという結構な大きさのマンションは、リフォームもしやすそうだったので自分は気に入りました。妻は古くて大きなコンクリートの塊から陰気な印象を受けたらしく若干難色を示しましたが、何回か内見をさせてもらって、売り主さんの人柄気に入ったりして、その物件を購入してもいいかなという感じになりました。

ちなみに中古マンションはリフォーム済みで販売されることが多く、私たちのようにリフォーム前提でリフォームされていない物件を探す場合、売り主さんが住んでいる状態で内見することになります。全く縁もゆかりもない方の部屋を見学するので、何だか面白い体験でした。

購入する物件を決定

不動産屋はもちろん契約を成立させるのが仕事などで、私たちがその物件を気に入った素振りを見せると、クロージングにかかってきます。契約の話などは不動産屋さんの事務所でするものだと思っていたのですが、私たちが住んでいたアパートに不動産屋さんが来て、契約の説明をされました。

売り主さんと交渉して値引きを引き出しましたとか、他にも申し込みをしている人がいるので急がないとチャンスを逃しますよといったような、おそらくこういう時にお決まりのフレーズで説得され、決断することになりました。

リフォームする上で問題のない物件かどうか、リフォーム業者にも相談をしていました。本当は購入の契約をする前に現地調査をしてもらいたかったのですが、そこまでは対応できないということでした。

住むようになってしばらくしてわかったのですが、このマンションは大規模修繕で排水管を引き直していたり、もともとはバランス釜と台所の湯沸し器だったのを今風の給湯器に直していたり、古い物件でしたが、なかなか条件はよかったのではないかと思います。

リフォームの契約をする

購入する物件が決まってからリフォーム業者と打ち合わせを繰り返し、プランを決めていきます。

妻が大きな方眼紙を買ってきて、それで間取りの模型を作ったりしてとても楽しく時間が過ぎて行きました。

ネット上で間取りをシミュレートできるサイトがあったりします。

間取りシミュレーター

間取りを決めて床や壁、そして最重要ポイントのキッチンについて、決めていきました。リフォーム業者にプランを作ってもらったり、アドバイスはもらいましたが、基本的には自分たちで主にネット検索を繰り返していいものを探しました。

トイレ、バス、洗面については、10年前にリフォームしているのでそのまま使えるのではないかというのがリフォーム業者のアドバイスでしたが、妻の意見もあり、全てリフォームすることにしました。これは後から考えるととてもよかったと思っています。引っ越したばかりの頃は、狭いながらも綺麗なお風呂に入って喜びを噛み締めました。

そのおかげで大幅に予算オーバーになりましたが、リフォームプランが決定しました。

実はリフォームプランが決定した後に、セカンドオピニオンということで、他のリフォーム業者にも話を聞きに行ってみました。とても凝ったデザインを作る業者でしたが、話をしてくれた方はちょっととっつきにくい感じがしました。私たちの求めるものよりも高級路線というか、親しみが持てない印象で、やはり元のリフォーム業者は担当の人の人柄もよいし、堅実な商売をしている感じがして、契約を決めました。

物件の購入成立

リフォームプラン作成と並行してローンの手続きを進めました。

不動産屋さんが大手銀行を紹介してくれましたが、ネットで調べたところ金利は他の銀行のほうがよかったので自分で探して決めました。金利についてはその時に一番低いところに決めればいいのですが、返済期間や、固定金利、変動金利の選択など何が正解なのかわからないことも決めていかないといけません。

変動金利だと金利の変動をいちいち気にしないといけないのが嫌だったので固定金利にして、返済期間も60歳までに完済するということを目安にしました。

ローンの審査も通り、無事に物件購入の手筈が整いました。

売買契約は、売り主さん側の不動産屋の事務所で、こちら側の不動産屋と我々の夫婦、売り主さんとその家族の方、後は司法書士の人が立ち会って行われました。

売り主さんが40年前にこのマンションの購入を決めたのは、近くから工事の様子を眺めていて丁寧に作っていると感心したからだという話を聞いて、何だか面白い方だなあと思いました。妻はその話がとても気に入って、今でもよくその話をします。

その時に立ち会った売り主さんのご家族によると、部屋の明け渡しをしなければならないので昨日は徹夜で片付けをしたということでした。確かに内見の時には完全に物置になっている部屋もあり、あれを全部片付けるのは大変だったと思います。

契約が完了し、自分たちの所有となった物件に行きました。

売り主さんの荷物と思われるものがエレベータホールに並べてあって、まだ片付け終わってないじゃねーかと思いました。

リフォーム工事を開始

物件の引き渡し後、リフォーム工事の届け出を管理組合に出したり、近所へのあいさつ回りをしたりした後、工事着工となりました。

初日にはリフォーム業者の担当の方と、大工さんが来ていて、工事内容の確認後、壁の解体工事が始まりました。ものすごい勢いで壁が取り外されていくのは圧巻でした。

工事期間は一ヶ月くらいでしたが、週末のたびに自転車に乗って現場を見学しました。

キッチンのワークトップは自分で木材業者から購入してリフォーム業者に渡しました。施主支給というやつです。搬入は運送業者が一人しか人を出せないということで、自分たちも手伝ったのですが、運送業者の人が、養生がしてあるものの、床に土足で上がったのを大工さんが怒鳴りつけていて、それが立派に仕事をする頼もしい職人さんという印象を与えました。

実際にリフォーム工事には大工さんの他に塗装屋さんや電気屋、タイル屋などが関わるのですが、大工さんの仕事が一番レベルが高かったと思います。大工さんは夫婦でやっていて、青森弁を話すのですが、見学に行った時には工事の内容についても丁寧に説明してくれたので、安心できました。

工事が完了して引き渡し

工事が完了し、リフォーム業者の担当者と引き渡しの手続きをします。仕上がりのチェックをするのですが、こちらとしてはついに理想の部屋が現実のものになって、かなり浮かれているのでチェックも甘くなります。

後から気がついたのですが、電気屋さんの工事が杜撰で、コンセントにちゃんと電源が来ていなかったり、電灯スイッチのつなぎ方が適当だったりで、工事をやり直してもらうことになりました。他にも今にして思うと仕上がりがいまいちのところはあるのですが、全体としては大変満足の行く結果になりました。

引き渡し後は妻と二人で浮かれて、フローリングの床に倒れて変死体ごっこをしてみました。

ちなみにこのマンションへの引っ越しの日に私たちは婚姻届を出しました。

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