食後の片付けが終わったら無垢集成材のキッチンカウンターにたたずむ

古いマンションを買ってリフォームして暮らそうと思ったのは、全体の間取りだったり台所だったりを普通のマンションや家のようなのではなくて、自分の好きな形にしたかったからというのがあります。今の部屋に住むようになる前はずっと賃貸アパートに住んでいて、台所の使い勝手が悪いのが不満でした。

アパートでもマンションでも、あるいは一戸建てでも、ほとんどの家にはシステムキッチンというものがついています。これまでに住んでいた部屋はワンルームタイプのものが多くて、部屋の一角をこのシステムキッチンが占拠していました。

頭上にはいくつかの扉がついた棚があり、レンジやシンクの下にも棚やら引き出しがあって、鍋を取り出そうとかボールを出そうとかするたびにその棚をばったんばったんと開け閉めする必要があります。何かの拍子にいつもとは違う場所にものを入れていたりすると、探すに手間取ることもあります。そういうのが煩わしいのと、せっかく買った新しい料理道具を眺めて楽しむような余地がいないために、扉を全部外してしまおうかと思うこともありましたが、その扉をしまっておく場所もないのでそのままにしていました。

今の台所はそういう経験と自分の好みから扉や引き出しをつけないで、シンプルなものにしました。棚の上に並べた鍋やフライパンを、扉の開けたり閉めたりをしないで、すぐに使い始められるのは快適です。床の上にはワインや酒、ウィスキーが計画性無く並んでいたり、かごの中には調味料や缶詰が適当に放り込んであります。必要なものを探し出すのに手間取ることもありますが、扉の奥に何がしまい込まれているかわからない状態よりはずいぶんと楽だと思います。

食器を洗って水切りかごに入れ、ふきんでカウンターをふいた後、なんとなくキッチンを眺めていると、雑多に並んだ調理道具や食材、洗い終わって乾かしている途中の食器などが、私の生活に実感を与えてくれるような気がして、とても好きな時間です。


台所の棚やカウンターは、鉄のフレームとウォールナット集成材で作っています。キッチンカウンターはステンレスなのが普通で、確かに木でできているのは湿気で腐ってしまうような気がしますが、イケアにも木のカウンターを使ったキッチンが売っていたりするので、日本以外ではよく使われているようです。日本の湿度では頻繁に手入れをしないといけないように思えるかもしれませんが、うちでは一年に一回か二回、オスモのオイルワックスを塗り直すくらいのメンテナンスの手間で、特に問題なく使えています。

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