中古マンションを購入して、リフォームしようと決めた時、最初にイメージしていたのは業務用厨房のようなキッチンにしたいということでした。
そこからキッチンについて検討をしていったのですが、キッチンの作業台(ワークトップ)の素材を何にするかというところで、無垢材を使うことにしました。
その結果、フローリングも無垢材にして、壁もそれに合わせて天然素材ということで珪藻土の塗り壁にしました。
天然素材を使うことのメリットとデメリット
天然素材のほうがコストがかかる
無垢材のフローリングや珪藻土の塗り壁は、合板のフローリングや壁紙クロスに比べて一般的には費用がかかります。
無垢材のフローリングは湿度によって木材が伸縮するので、継ぎ目にある程度余裕を持たせて施工する必要があります。
前の記事にも書きましたがうちの工事をしてくれた大工さんはとても腕が良かったようで、4年ほど住んでいますが、フローリングの問題は何も起きていません。
工事をする職人にそういう技術が必要だし手間もかかるので必然的に人件費がかかることになります。
壁もクロスを貼るのに比べたら工事費はかかるようです。
手入れの手間
合版のフローリングは表面にコーティングがしてあって、汚れに強いような気がしますが、そのコーティングでは対処しきれない傷や汚れがついた場合、手の打ちようがなくなります。
これはキッチンのワークトップを無垢材にしたのと同じ理由なのですが、無垢材の場合は傷や汚れがついた場合に削って再度塗装をすることで元の木材の状態に復活します。
うちの実家は20年くらい前に新しい家に引っ越しをしているのですが、合版のフローリングの直射日光が当たる部分は変色して元に戻すことができなくなっています。
壁も同じように汚れたり傷がついてしまった場合でも、水をつけた布で拭き取ったり、周りを平になるようにならしたらなんとかなります。
ただ、盛大に汚れてしまった場合などは上から塗り重ねるなどの対処が必要になるかもしれません。そのために、リフォーム後の引き渡しの時にビニール袋に詰めた珪藻土の壁材を渡されました。いざとなったら多少の修復は出来るはずです。しかし壁紙が破れたりしたら、基本的に修復できません。
天然素材でリフォームした結果の実際の住み心地
もちろん人によって好みはあるとは思いますが、住み心地は無垢材フローリングと珪藻土の壁が、合板のフローリングとクロスよりも上だと思います。
私はたいてい冬でも家の中にいる時には裸足で過ごしますが、室温が低くても無垢材フローリングの床はそれほど冷たい感じがしません。季節を問わず素足に感じる床の感覚は気持ちがいいです。
壁については直接肌に触れる機会がないので感触という面ではどうかということはありませんが、壁紙の模様が付いているやつよりも見た目が落ち着きますし、光の反射の仕方も自然で心地よいです。
無垢材のフローリングは湿度によって伸縮すると書きましたが、つまり、湿度が高い時は木が吸収し、逆に湿度が低い時は木から湿度が放出されるので湿度がある程度調整されるということです。この調湿効果は珪藻土の塗り壁も同じです。その結果、部屋の湿度の変化が穏やかになるので快適に過ごせます。
ただしこの調湿効果の過信は禁物です。リフォーム業者の説明ではよほどのことがない限りカビは発生しないとのことでしたが、うちでは北側の窓の結露がひどかったのでその周りにカビが発生してしまいました。カビ対策についてはまた別の機会に書こうと思います。
あと珪藻土の塗り壁は触ったり荷物が当たったりすると粉が落ちてきてしまいます。妻はそれが嫌だとよく言っています。だからといってそれで壁に傷が残ってしまうわけでもないので、クロスを引っ掻いて破いてしまうことを考えるとマシなのではないかと私は思っています。
好みの素材が選べるのが中古マンション&リフォームのメリット
いずれにしても賃貸や新築マンションで無垢材フローリング、珪藻土の塗り壁の物件というのは皆無です。さらに無垢材のキッチンとなると絶対にないと思います。
人件費、材料費がかさむでしょうし、何かあった場合のクレームのリスクもあるので、施工会社はそういうものを用意しないし、その結果、画一的な材料、間取りの物件の中からほんのちょっとした差でこちらは選ぶしかありません。
リフォームなら自分のリスクでどうとでもなるし、本当に自分の好みにあった部屋が作れます。洋服でもそうですが、既成品よりも特注品の方が満足度は高いです。人とは違う一品物を所有しているという満足感もありますし、提供側が勝手に決めた基準ではなく自分の好みを反映しているのですから。せっかく高いお金を払って家を買うのなら、買ってすぐ値段が下がるような新築マンションを選ぶよりも、中古マンションにしてその分のお金をリフォームにかけるのがよいと思います。